後半戦
オジカ沢の頭ー平標山
【万太郎山】
肩の小屋を出発してからおよそ3時間、天気が良すぎて気温も高くちょっと疲れが出てきた頃、進行方向の先にオレンジに染まる山肌が見える。
序所に近づいて行くとそこには一面に広がるニッコウキスゲの群落ではないですか!
ここを登りきってしまえば万太郎山のピークなんだけど、この景色を見てたら先を急ぐのが勿体無くなってきてしまったよ。
休憩するにも丁度良いタイミングだったから、少し休んでいこう。
13時過ぎ万太郎山に到着!ここまで順調にきてる感じかな、ただこの先まだ4時間以上の道のりが残っているので何とか頑張ってこ!さすがに荷物が重くなってきたなー
自分がいるこの場所って実は登山道なんだけど、草が生えまくり!
人が結構歩いていればここまで茂ることもないんだろうけど、天神や西黒なんかと比べればこのルートを歩く人って少ないのかもね。
いよいよ仙ノ倉山が見えてきたんですけど、その手前のエビス大黒ノ頭への上りがキツそうだなー
目の前に鎮座するエビス大黒ノ頭。ラスボス登場という感じか。
標高そのものは1888mとこれまで歩いてきたピークと比べるとそれ程高くはないのですが、さっきの万太郎山1954mから一旦、1568mの毛渡乗越まで下って、そこから320m程の登り返しが待ってる。
スタミナ的にも辛くなってくる所で、更に体力が削られて修行感たっぷりです。
お陰で担いでいった4Lの水が底をつきそー
恐怖すぎる!もつかな体。
むちゃくちゃしんどかったエビス大黒ノ頭をクリアし、ここまで歩いてきた稜線を振り返る。
遥か遠くにトマオキが見えて、いや~よくここまで歩いて来たよな~
でもさ、これを感じることが出来るのが縦走の醍醐味なんだと思う。
そして16時24分、仙ノ倉山に到着!
太陽も西に傾き始め自分の影も長くなってきたな、時間の余裕が無くなってきちゃたので最後のピーク平標山へ急ごうか!
もうここからは、激しいアップダウンは無さそう、でもこの階段って優しそうに見えて実は、ひざがきている時にはものすごく苦痛なんですよね。
なんかヤバそうかも。
ヤマレコなんか見ていると、登場する『東芝ランプ』
あ~これね!と思って記念撮影。
肩の小屋から10000mだって!10Kmか、普段の生活でも中々歩かないよね。
徐々に近づく平標山、その背後にはまっ平な山頂が目立つ苗場山。
17時8分、縦走最後のピーク平標山に到着したです!
時間で言えばスタートが6時だったから約11時間歩き続けてきたんだけど、なんかあっという間だったな。
見て良し、歩いて良しで最高に楽しかった♪
でも流石に体もヘトヘトだし、担いできた4Lの水も全然足りなくて、ノドが渇いてカラッカラ。
早く水をがぶ飲みしたいよー
まだここで終わりじゃなかった。この山頂から40分程下った所にある平標山ノ家までもうひと踏ん張りしなきゃ!
仙ノ倉山と同じ木の階段の下りが小屋まで続いている、膝がもうヤバい感じになってきているから無事辿りつくかね?
平標山ー平標山ノ家
膝が終わった。
一歩足を着くごとに激痛が走り、思うように最後歩けなくてキツかったけど、
何とか17時40分に平標山ノ家に到着できました。
ほっ。
テン場の受付は後回しにしてまずは真っ先に水場に向かい水をガブ飲み!腹が一気にたぷんたぷんです。
水が全然足りなくなって、途中からチビチビと調整しながらここまで来たので生き返ったよー
テントを設営中に、先着していた人に「今日はどちらから?」と聞かれたので「西黒からっス!」と答えたら
「え~ホント!」と驚きの様子。
まあそりゃそうだ、この道を知っている人ならわざわざテントを担いでここまで来ないだろうからね。
さて暗くなる前に夕飯を済ませなきゃ。
それにしても、ハエやアブが凄いこと!何箇所も刺されて2,3日経っても腫れと痒みが治まらなくて参りましたです。
時刻は今4時、東の空が薄っすら明るくなってきてる。
今日の行程は、ここから平標登山口へ下山しバスと電車を乗り継いで土合に置いてある車に戻るだけなので前日と比べたら思いっきり楽チンですな。
平標山ノ家のテント場は建物を挟んで北側と南側にあるんだけど、こちらは北側、昨日到着した時にはすでに埋まっていてスペースがなかったけど、もう既に出発した人がいるんだね。この手前の上段にもスペースがあります。
自分は写真にも写っている南側に設営、テーブルもあったり宴会をしたい人はこちらがおすすめです。
小屋にもようやく太陽が顔を出してきたよ!今日も良い天気になりそうだ。
平標ノ家ー下山
小屋からもしっかり見ることが出来る苗場山。
まっ平という独特の形をする山頂、存在感が凄いよね、結構離れている場所からでも苗場山というのがすぐ分かるもんね。
始発のバスに乗って湯沢駅に向かう予定なので、少し早めに朝食を済ませて出発しますか!
平標山ノ家から国道沿いのバス停までは約1時間30分、平元新道を下って行きます。
およそ、30分で登山口に到着!
歩きやすい登山道を下るだけなので、良いペースで降りてこれました。膝の具合も、もう大丈夫そう♪
山道から舗装道に変わり、別荘地を抜けバス停を目指します。
道端に咲くエゾアジサイ、家の周りでは紫陽花は終わりを迎える時期だけど、山ではまだまだ可憐な花を咲かせているんだね。
小屋を出発しておよそ50分、バス停に到着です。
ちょっと予定より早く着き過ぎたので、荷物の整理とシャツを脱いで乾かしておこう。
上半身、裸でバス待ちする姿なんて、地元でしていたら通報されそうだけど、今ここには自分以外だ~れもいないので全然余裕。
田舎ならではの良い雰囲気の時間でした。
8時過ぎの湯沢駅発の上越線上り電車に乗り、土合駅に戻ってきました!
スタート地点の白毛門登山口駐車場までは20分くらいかな?
駐車場に戻らないで、もう1ラウンド行ってみる?
いやいや無理無理、絶対行きたくない!行くわけがない!これ以上、体は動きません!
でもでも、ほんとに楽しくて充実した2日間の山歩きでした。
さあ早く朝風呂入りに行こう!
登山を終えて
谷川岳主脈縦走を終えて一言。
とにかく素晴らしい道です!美しいです!癒しです!トマオキには無い風景と音を感じれます!
あっ!全然一言じゃないじゃん!
まあ収まりきらない程、感動した登山となったわけであります。
今回の行程では敢えてテントを担いでいきましたが、荷物を軽くしてナイトハイクスタートの1DAYで行くのが定番かなと思いました。
アルプス程標高が高くないし、主脈には日差しを避ける場所がないので、夏は暑さが相当答えますね。それにやっぱりテントは重い!
縦走路にはいくつかの避難小屋しかなく山小屋はないので稜線上で泊まる場合は、それなりの経験が必要になってくるかも。それか今回の自分のように平標山ノ家で1泊して翌日に下山するというのもありだと思います。
予想外にアップダウンもあるし、距離も長いので、どちらかと言えば健脚者向けのルートですが、避難小屋泊を上手く使って余裕のある行程を組めば問題なく歩ききることが出来るかなと思います。
トマオキでは感じることが出来ない感動と癒しを体感しに歩いてみてはいかがでしょうか!
谷川岳をこれまで以上に好きになりますよ♪
コースタイム
DAY1
【西黒尾根登山口】6:15 ⇒ 9:24【肩の小屋】9:43 ⇒ 10:53【オジカ沢ノ頭】⇒ 13:05【万太郎山】13:23
⇒ 16:22【仙ノ倉山】⇒ 17:08【平標山】⇒ 17:40【平標山ノ家】
DAY2
【平標山ノ家】5:14⇒ 5:46【平標山登山口】⇒6:30【平標山登山口バス停】南越後観光バス
⇒ 7:43【越後湯沢駅】8:14 JR上越線⇒ 8:39【土合駅】⇒ 9:00【白毛門登山口駐車場】
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